こんにちは!ゆきもちです^_^
私たち夫婦は昨年、児童相談所をとおして里子の赤ちゃんを家庭に迎えました。
今は特別養子縁組の手続き中で、問題なければ今年中に戸籍上も我が家の一員となります。
今回は特別養子縁組の体験談・第2回として、里親登録研修について書いていきます。
第1回はこちら↓
※今回ご紹介するのは私が住む地域で行っている里親登録研修の内容です。地域によって内容に差があるかと思われます。
児童相談所をとおしての特別養子縁組の流れ
児童相談所からの紹介で特別養子縁組が成立するまでの流れは、ざっくりと以下のようになります。
研修・実習を受け、里親登録を行います。
児童相談所から委託打診後、児童との面会・交流を経て委託が可能か判断します。
里親として養育を開始します。この期間は試験養育期間として6か月程度必要になります。
養育開始後、家庭裁判所に特別養子縁組の申立てを行います。
実親・養親への聴き取りや家庭訪問などの調査が行われます。
試験養育期間と調査の後、特別養子縁組の審判が確定します。審判確定後は里親委託は解除となります。(養育費用等の支給が終了)
審判確定から10日以内に特別養子縁組届を提出することで、児童が養親の戸籍に入ります。
里親登録研修を受けるには?
まずは自分が住む地域の児童相談所に問い合わせます。
研修の前に一度児童相談所で里親登録についてのガイダンスを受けます。その後研修のお知らせが届きます。
研修実施の頻度は地域によって違うかも知れませんが、私の地域では年2回でした。
かかる日数は
- 基礎研修:1日
- 乳児院での実習:2日
- 登録前研修:1日
の、計4日間です。
研修は全日程に参加できない場合、次回の研修開催時に受講することもできます。
里親登録研修・実習の内容
私が実際に受けた研修のカリキュラムをご紹介します。
基礎研修
里親制度の概要を学びます。
【日数】1日
【時間】9:15~12:15
- 里親制度について
- 先輩里親による体験談
- 施設見学
養育実習
乳児院で実際に赤ちゃんのお世話を体験します。研修のように大人数ではなく、2-3組の夫婦でグループとなり日程を分けて行われました。
【日数】2日間(連続2日)
【時間】9:45~16:00
養育体験
抱き方、授乳、オムツ交換、寝かしつけ、遊びなど。
座学
- 乳幼児の発達と心理ケア
- 授乳、離乳食、幼児食について
- 乳児院での家庭支援について
- 里親支援について など
登録前研修
里親として必要な様々な知識を学びます。
【日数】1日
【時間】9:00~17:00
- 児童福祉論
- 養護原理
- 発達心理学
- 小児医学
- 里親養育援助技術
- 里親養育論
基礎研修と登録前研修の間は1か月程度空きました。その間のどこかで2日間、養育実習が入ります。
里親登録研修を受けた感想
基礎研修の感想:先輩里親さんの体験談がためになる
基礎研修では里親制度の概要を学びました。
里親制度の意義、里親の種類、登録までの流れ、委託状況、里親支援についてなどの説明がありました。
里親支援として「レスパイト・ケア」というものがあることは初めて知りました。
レスパイト・ケアは里親の一時的な休息を目的とした支援制度です。
事前に申請することで、里子を他の里親家庭や乳児院・児童相談所などに一時的に預けることができます。
その後、現在里親をしている方々に体験談を伺いました。
養育里親をされている方々は里子の年齢や委託の期間も様々でした。生まれたばかりの新生児を数か月預かった方や、高校生の委託を受けそのまま進学まで援助した方のお話など、色々なケースがあることがわかりました。
里子と過ごすことは実子にもよい影響があったとお話していた方もいました。
私は養子縁組里親を希望していたので、やはり養子縁組里親をされていた方のお話が特に印象に残りました。
その方は特別養子縁組予定の里子を半年近く育てた後、実親の希望により縁組が無くなったご経験をお話しされていました。
その後別な赤ちゃんを養子として無事迎えたとのことですが、養子に迎えるつもりで何か月も育てていた赤ちゃんと離れるのは、さぞお辛かっただろうと思いました……
現在は2020年の民放改正により、特別養子縁組に対する実親の同意は、同意から2週間経過後は撤回できなくなっています。
改正以前は縁組成立までいつでも撤回できたので、このようなケースがあったようです。
基礎研修 感想まとめ
- 基礎研修では里親制度の概要を学ぶ
- 里親が一時的に休息をとるための「レスパイト・ケア」制度で安心
- 先輩里親の体験談で委託後の生活がイメージできる
養育実習の感想:赤ちゃんはすごく可愛い!
養育実習では、乳児院で赤ちゃんのお世話を体験しました。
全員一度に行った研修とは違い、2-3組の夫婦でグループとなり日程を分けて行われました。
今まで乳児院がどこにあるのか知らなかったので、実際に行ってみて「こんな所にあったんだな」と思いました。何度か車で通ったことのある道沿いにあったのに気に留めたこともなく、いかに自分が無関心だったのか考えさせられました……
乳児院は明るくてきれいな施設でした。
幼稚園みたいな場所をなんとなく想像していましたが、普通のご家庭のような和室やキッチン、トイレがついているお部屋がいくつもあり、とてもアットホームな環境だということがわかりました。
赤ちゃんの部屋では私が子どもの頃聞いていたような童謡がかかっていました。音楽だけでなく、生活音のCDをかけることもあるそうです。
実際の赤ちゃんに会う前に、まずお人形を使って抱っこの練習をしました。赤ちゃんに近い重さの人形です。
赤ちゃんの抱き上げ方は、今までやっていた方法と違うやり方も学びました。赤ちゃんの両脇を持ち、赤ちゃんをくるっと転がして腕にのせるように抱き上げる方法です。
寝ている赤ちゃんの下に手を入れて持ち上げるよりも確かに簡単で、首もかくっとなったりしないので安心でした。
抱っこ練習の後、赤ちゃん達がいる部屋に行きました。
一般家庭の和室のような部屋で、生後1~3か月程度の赤ちゃん達が数人過ごしていました。
先ほど練習した抱き方で実際に抱っこしてみると、小さな赤ちゃんは本当に可愛らしく
「このまま連れて帰りたい!」
というような気持ちになりました^^
でも泣いたり笑ったり、すやすや眠っている赤ちゃん達は本当にかわいくて、とても素敵な体験でした!
実習としては他にミルクの作り方、授乳、オムツの交換、沐浴方法などを学びました。授乳は実際に体験しましたが、それ以外は職員さんが説明しながら行うのを見る感じでした。
その後は座学です。乳幼児の発達や離乳食の作り方などについて学びました。
乳児院では乳児だけでなく1~3歳の幼児も暮らしており、そちらのお部屋も見学予定だったのですが、そのとき体調の悪い子がいるとのことで、今回はなくなりました。
養育実習 感想まとめ
- 乳児院は一般家庭に近い環境
- 赤ちゃんの抱き方、授乳、オムツ交換、沐浴の方法などを学ぶ
- 赤ちゃんはとても可愛い! 家に連れ帰りたい気持ちになった
登録前研修の感想:虐待の現実を再認識
登録前研修では児童福祉論や発達心理学、小児医学など、里親として必要な知識を学びます。
大学の授業のようなことを1日で一気に学ぶので結構大変です……
特に印象に残っているのは、実際に虐待を受けた子の写真を見たことです。
顔が腫れ上がった様子やバットで殴られた跡など、見ていてとてもつらく、悲しく思いました。
これまでそういった怪我をしている子を見たことがなかったのですが、虐待は実際に身近で起こっていることなのだと再認識し、あってはならないことだと改めて感じました。
里親養育論の講義では実際の里親家庭の映像を見ました。試し行動で里子が里親に噛みついている場面があり、とても痛そうでこれは大変だなと思いました……
養子であることを子どもに伝える「真実告知」についても学びました。小さい頃から年齢に合わせて少しずつ教えていくのがよいとのことです。
養子を受け入れる機会に恵まれたら、子どもへの愛と実親さんへの感謝を自然に伝えていきたいなと思いました。
登録前研修 感想まとめ
- 児童福祉論や発達心理学、小児医学など里親として必要な知識を学んだ
- 虐待は現実に身近なところで起こっていると再認識
- 小さな頃から少しずつ実親さんのことを伝えていきたい
里親登録前に受ける家庭訪問調査
研修が終わってしばらくしてから、児童相談所の職員さんによる家庭訪問調査がありました。
家が子どもの成育に適しているかのチェックの他、私たち夫婦の普段の生活や家族について、育ってきた環境についてなどを聞かれました。
全部屋確認するのかと思って部屋を掃除しましたが、環境のチェックはリビング周辺だけでした
特別養子縁組への第一歩、里親登録が完了!
研修の終了から3か月後、「里親登録済証」が届き、無事に里親登録が完了しました。
特別養子縁組への第一歩が踏み出せました!
ここから委託の打診まで、ある程度長い期間待つことになります。
私の地域では、養子縁組里親の里子委託までの期間は登録から5年程度と言われていました。実際には認定から1年半で委託打診があったので、早い方だったようです。
児童相談所をとおしての特別養子縁組は委託までに時間がかかるので、若い夫婦には民間のあっせん団体にも登録することを勧めている、とガイダンスの時に聞きました(民間だと年齢制限がある場合が多いため)
里親のレベルアップ研修などを必要に応じて受けながら、ひたすら待ちます。
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